「復活」〜小澤征爾さんからの贈り物   by ノリ(音楽プロデューサー)

小澤征爾さんが立ち上げた、教育プロジェクト「小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト」のために結成されたオーケストラによる、マーラーの「交響 曲第2番ハ短調「復活」をサントリーホールにて聴いた。

初めて聴くオーケストラと、小澤征爾さんの「復活」というのは始まる前からいい緊張感で心を満たしてくれる。

マーラーの「復活」は、タイトル通り全体的にも荘厳な5楽章から成り立っている。暗い心の闇を表現する葬送のテーマといえる第1楽章、懐古を奏でる第2楽章、全ての疑問を爆発させる第3楽章から、わずかに光を見出す第4楽章、壮大な心の復活を表した最終楽章。

今回のオーケストラでもその流れが見事に表現されていた。

小澤さんの手から見えない糸で操られているかのごとく、波打つ音。そして、小澤さん自体もその波に気持ちよく乗っている、それもどの楽章でも心から楽しそうに。第3楽章〜第5楽章までは、続けて演奏することが指定となっている。そのせいもあってか、途中、演奏者に疲れと音の乱れが感じられるところが数箇所あったことが少し残念ではあったが。

今回、ソプラノで松田奈緒美、アルト(コントラルト)−女性では、最も低い声を出せる数少ないアーティストであるナタリー・シュトゥッツマン。二人の歌声も本当に素晴しかった。特にコントラルトの声を初めて聴いた私には、朗々と歌う姿に驚かされた。

そして、何といってもオーケストラ、合唱、全ての音が重なり合い、その音と共に「復活」を教えてくれた指揮者「小澤征爾」の音の深さに心が震える感動を感じた。それが、何よりも、素敵な贈り物だった夜でした。


ノリさんのプロフィール: 3歳から大学卒業までピアノを勉強し、音楽が近くにある仕事と、興味のあった映像との融合をかなえられるコマーシャルの世界へ。約15年にわたり、コマーシャルの音楽を中心にプロデュース業を行っている。音楽全てに興味があるため、特にジャンルはこだわらず、聴き続けている。

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