小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトの発足と活動

bird-y.gif小澤征爾音楽塾の概要

これからの音楽界のために若手音楽家の育成に力を注ぐ小澤征爾が、オペラを通じて若い音楽家を育成するために始めた塾。オペラは、音楽をより深く理解するために欠かせないものだと言い、また、恩師であるヘルベルト・フォン・カラヤンが残した名言「交響曲とオペラは、音楽という車の、車輪のようなもの」を実践するためにも、年に一度、この音楽塾を開催している。

bird-y.gif小澤の考える音楽教育

たまたま出会った小、中、高校の先生にいろんな影響を受けている、という小澤は、教育、特に音楽教育というのは、大学のような大規模のものではなく、たとえば3人、5人、10人という小規模で行うべきものだと考える。

そして、サイトウ・キネン・フェスティバル松本の一環として、奥志賀高原「森の音楽堂」で若い音楽家に弦楽四重奏を指導する勉強会、「サイトウ・キネン室内勉強会」を1996年から開催。また2000年からは少人数を指導する「小澤音楽塾オペラ・プロジェクト」を開催し、指揮者、音楽家の育成に情熱を傾けている。小澤音楽塾は、「サイトウ・キネン室内勉強会」でオペラが出来るような弦が育ったからこそ、実現したものだそうだ。

オペラの演奏では、指揮を見ながら耳で聞きながら柔軟に対応していかなければならない。オーケストラ同士の音だけでなく舞台での歌も聞きながら、自由に柔軟に対応することを経験すると、特に弦楽器の人の音の表現力が深まっていくと小澤は言う。そして、プロに混じって鍛えると優秀な若手は上達が早いという考え方から、歌い手は全て超一流のプロ、舞台はサンフランシスコ・オペラのオリジナル・プロダクションが制作している。こういう環境で練習を重ねると、若い人の成長は早いので見違えるようにオーケストラの音は良くなるそうだ。

「教えるのっておもしろいんですよね。」「僕なんかいい弟子がいて教えると、のめり込んじゃうから、もう危なくてしょうがないんですよ。」そう言う小澤は、「日本の将来、若い人の力を信じています」と言う。2004年、新潟県中越地震の被災地に水戸室内管弦楽団とともに訪れ、子供たちのために慰問コンサートを開いたときにも、最後に生徒たちへの色紙に「皆さんを信じています。がんばってください」としたためた。

音楽塾の第一回目の公演は、「サイトウ・キネン室内勉強会」による実践公演「フィガロの結婚」であった。第6回までは、オペラ公演が続けられてきたが、2006年は初の交響曲に挑戦する。若き音楽家たちと小澤征爾によるコラボレーションは、ますます注目を集めている。


■公演予定2006年

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトVII
マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」

指揮:小澤征爾
管弦楽:小澤征爾音楽塾オーケストラ
ソプラノ:松田奈緒美
コントラルト:ナタリー・シュトゥッツマン
合唱:小澤征爾音楽塾合唱団

*2005年年末より続く療養を経て、小澤征爾復帰後、
初のコンサートとなる

スケジュール
7月20日(木) 名古屋:愛知県芸術劇場コンサートホール
7月23日(日) 京都:京都コンサートホール
7月24日(月) 浜松:アクトシティ浜松大ホール
7月26日(水) 東京:サントリーホール

■ 奥志賀高原「森の音楽堂」について

長野、奥志賀高原ホテル内にある小さな音楽堂。
小澤征爾氏のアドバイスにより設計された、集成材を使った暖かみのある木造建築で、音楽会・会議など各種発表展示会に利用されている。ここで行われた若い人のための「サイトウ・キネン室内勉強会」の実践公演が、小澤征爾音楽塾の第一回の公演となった。ちなみに、当音楽堂こけら落としのコンサートも小澤征爾によるものだった。

〒381-0405長野県下高井郡山ノ内町奥
志賀高原TEL:0269-34-2034FAX:0269-34-2827

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