新日本フィルハーモニー交響楽団の発足と経緯

bird-y.gif自主運営で、革新的な活動を実践

1972年、楽員による自主運営のオーケストラとして誕生した「新日本フィルハーモニー交響楽団」。小澤征爾(1999年9月より桂冠名誉指揮者)を指揮者に擁し、創立時より意欲的に海外へ活躍の舞台をひろげていく。73年には香港音楽祭に出演、74年には初のヨーロッパツアーに挑戦、85年には2度目のヨーロッパ公演を成功させた。その間75/80年は小泉和裕が、83/88年は井上道義が音楽監督を務め、さまざまな企画と確かな演奏力で、着実に観客を増やしていく。

毎月開かれる定期演奏会で、声楽・舞台作品や近現代作品を題材に取り上げる他、小澤征爾によるオペラ・シリーズ、カザルスホールでの「室内オーケストラ・シリーズ」、朝日奈隆指揮によるオペラ「ニーベルングの指輪」の邦人初演を行うなど、既存の概念にとらわれない革新的な活動を続け、注目を集めてきた。

bird-y.gif本拠地を「すみだトリフォニーホール」に

1991年、創立以来長い信頼関係を築き上げてきた小澤征爾が、名誉芸術監督に就任。レオン・フライシャー、佐渡裕、高関健など小澤が認める世界レベルの指揮者陣が次々と登場し、充実した演奏活動を展開していった。1997年、東京墨田区の
「すみだトリフォニーホール」
を活動の場とし、そのステージで練習と公演を行うという日本で初めての本格的なフランチャイズ方式を導入。定期公演をはじめ、地元の小中学校でのミニ・コンサートや音楽授業の企画など地域に根づく交響楽団として、さまざまな試みを続けている。現在は、このすみだトリフォニーホールとサントリーホールで定期演奏を行っている。

1998年のロストロポーヴィチによる「シュスタコーヴィチ・フェスティバル」、1999/2000年の井上道義による「マーラー・ツィクルス〜交響曲全曲演奏会」などでも高い評価を得た。創立30周年にあたる2002年には、ゲルハルト・ボッセの指揮による「ベートーヴェン・ツィクルス〜交響曲全曲演奏会」を行ない、高く評価された。また同年、日中友好30周年の記念事業として、小澤征爾とともに中国・北京公演を実施した。

2003年9月には新しい音楽監督として、若き指揮者のホープ、クリスティン・アルミンクが就任。常に新しい音楽の可能性を模索する新日本フィルハーモニーの次なるスタートを予感させた。2004年にはスペイン公演を成功させている。

その他、音楽ジャンルの垣根を超えたユニークな活動も注目されている。2001年にはディープ・パープルやロックギタリストのイングヴィエイ・ヨハン・マルムスティーンと競演したり、宮崎駿『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』の音楽を担当。2004年夏に、音楽家久石譲と新プロジェクト“新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ”を立ち上げた。いずれの活動も“本物の音楽を多くの人と分かち合いたい”という自由かつ先進的なポリシーに満ちあふれており、今後も大きな期待がかかる。

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